エキスパートドクター

あきたの医療の担っている様々な分野のエキスパートドクターをご紹介します。
第一線で活躍されている先生方にお話を伺いました!

No.25H26.9掲載日

秋田大学医学部附属病院
腎疾患先端医療センター
センター長・教授

佐藤 滋
先生

どのような道を選ぶにしても、
誰かが支え応援してくれるものと思います。
わくわくどきどきする人生も、
楽しいものではないでしょうか。





佐藤 滋 先生

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他県への進学・就職から秋田へ戻られたきっかけを教えてください

高校を卒業し、生まれ故郷の秋田を離れて22年目。当時の秋田大学泌尿器科教授から、「秋田に来て腎移植をしないか?」とお誘いを頂きました。岩手医大卒業後、母校の泌尿器科に入局し、腎炎の病理・透析・腎移植などを専門としていましたが、もちろん大した実績があったわけではありません。また、腎炎の病理診断を泌尿器科医が行なうことに、奇異な感じを受けると思いますが、当時岩手医大には腎臓内科を標榜する医師がおらず、腎疾患に興味のある病理医と泌尿器科医によって腎疾患の病理診断と治療がなされていたためでした。それに、一生盛岡周辺で生きて行こうと決め、1年半前には土地を購入し新居を構えておりました。そこに、秋田へのお誘いでした。迷いに迷いましたが、新しい何かを求めて生まれ故郷に戻ることにしました。ただ、まだ義務教育中の息子が二人おり、単身で秋田大学に転入することに致しました。
平成9年1月1日付けで秋田大学に転入。紹介された住まいは大学病院裏の宿舎。ほぼ新築の我が家から、年代物の宿舎へ。しかし、職場環境は素晴らしいものでした。当時の秋田大学泌尿器科教室は、医局員が少ないものの、複数の大学出身者が集い、お互いを尊重しあう人格良好な人ばかりで、なんて居心地のよい教室だろうと感じました。

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秋田大学の腎移植開始の経緯を教えてください

転入して1年。いよいよ秋田大学での腎移植を再開することになりました。当時、腎移植を知る者は私しかおらず、二人の助手を連れて、懇意にさせていただいていた東京女子医大へ腎移植を見学しに行き、両医師に腎移植の雰囲気を感じ取ってもらいました。平成10年2月17日火曜日、新しいスタッフによる秋田大学第一例目の腎移植が行なわれました。その後、平成13年7月内視鏡よるドナー腎採取術が東北で最初に行なわれました。平成10年以降毎年7件から10件の腎移植を行なっていましたが、平成14年に21件の腎移植を行ないました。このころから、秋田大の腎移植が全国的に認知され始め、さらに患者さんが患者さんを呼び、その後毎年20件以上の腎移植を行なっています。本稿を執筆している平成26年8月現在、私が着任してからの腎移植総数は生体・献腎合わせて288件となりました。年間の腎移植数は東北で最多であり、全国でも有数の腎移植施設になっています。

多数の腎移植を行なうだけでなく、教授から常々「Science mindを持て!」と叱咤激励され、細々ではありますが「いかに腎移植生着率を向上させるか」を主題としたclinical translational researchも、複数の共同研究者と共にその研究成果を発表してきました。こういった活動は、少しずつ国内外に認知されてきました。
このような過程を経て、平成20年10月に「腎置換医療学講座」という名称で寄附講座が開設されました。しかし、寄附行為をしてくださっていた製薬会社の事情により、寄附講座は5年で終了致しました。

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センター長を務める腎疾患先端医療センターについて教えてください

腎不全の患者数は世界的に増加しています。わが国の透析患者総数は30万人超となりました。一方、腎移植数は全国で年間1,600件と、諸外国に比べ著しく少ないのが現状です。このような状況のもと、平成25年4月秋田大学医学部附属病院に「腎疾患先端医療センター」が開設され、10月1日付けでセンター長・教授を拝命致しました。本センターは秋田県から「腎移植体制構築業務」の委託業務を受けており、准教授は腎臓内科、助教は薬剤部から招請しました。

センターの主たる業務は
1)腎移植医療の質の向上
2)腎疾患の予防・治療・保存期腎不全・透析療法・腎移植までの腎疾患トータルマネジメントの普及啓発、
の2点です。これらの業務は、これまでも泌尿器科、血液浄化療法部、腎臓内科、薬剤部、手術部、看護部、あきた移植医療協会、移植コーディネーター、県、そして賛同してくださる多くの方々とともに活動してきたものであり、センター設立によってさらに推進されなければならないと肝に命じている次第です。全国でも例のない腎疾患に特化したセンターが開設されたのは、大学関係者のみならず、県関係者、腎不全医療を秋田大学で受けると決心された患者さんとその家族、患者さんを紹介くださる県内外の医療施設の方々のご尽力によるものです。

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秋田での暮らしはいかがですか?

秋田大に転入して18年目になりました。宿舎はさらに老朽化していますが、住めば都です。そして楽しみは、週末妻と犬だけになった自宅に帰る途中のドライブです。

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最後に若手医師へのメッセージをお願いします

大学卒業時、どこで、どのような医者になるのか、暗中模索していました。しかし、今日に至るまで、何一つ私ひとりでなし得たものはありませんでした。昔も今も、多くの方々に支えられて仕事をしております。そのことで、国内外に多数の知人を得ることも出来ました。若き医療者の方々は、将来に対する漠然とした不安を抱えていると思います。地域に根ざした医療に従事する、世界に挑戦する研究・医療に邁進する、といった幅広い選択肢のなかから、自ら決定していくものと思います。どのような道を選ぶにしても、誰かが支え応援してくれるものと思います。わくわくどきどきする人生も、楽しいものではないでしょうか。

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履歴書
1981年
岩手医科大学医学部卒業
1986年
岩手医科大学医学部大学院卒業(病理学)
1986年
岩手医科大学医学部泌尿器科 助手
1990年
米国クリーブランドクリニック泌尿器科 Fellow doctor
1992年
岩手医科大学医学部泌尿器科 講師
1997年
秋田大学医学部附属病院泌尿器科 講師 透析センター 副センター長
2003年
秋田大学医学部附属病院泌尿器科・血液浄化療法部 助教授
2008年
秋田大学医学部腎置換医療学講座 寄附講座教授
2013年
秋田大学医学部附属病院腎疾患先端医療センター センター長・教授


学会活動・専門医等
日本泌尿器科学会       専門医・指導医・代議員
日本移植学会         認定医・評議員・幹事
国際移植学会         DICG(イスタンブール宣言擁護班)
臨床腎移植学会        腎移植認定医・評議員
日本透析医学会        専門医・指導医・評議員
日本腎臓学会         専門医・指導医
腎移植血管外科研究会     世話人
東北移植研究会        世話人
北東北腎移植勉強会      世話人
ABO血液型不適合移植研究会  幹事
米国移植学会(ATS)・欧州臓器移植学会(ESOT)・米国腎臓学会(ASN)・他


社会活動等
あきた移植医療協会 理事長・他


賞罰
2003年
鈴木泌尿器財団研究奨励賞
2007年
Ciclosporin Phamaco-Clinical Forum Grant Award 研究助成賞


指導・共同研究の受賞
日本移植学会賞 2
米国泌尿器科学会最優秀ポスター賞 1
米国移植学会優秀ポスター賞 7

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