活動報告

開催日:2015年7月7-10日(火-金)

カテゴリ:

ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター日本人研修医向けトレーニングコース 研修報告④

 秋田赤十字病院 初期臨床研修医2年目

 三浦隆徳

 

 

はじめに:シミュレーション医療教育は医療従事者が知識、技術を効果的・効率的に学習するのに有用な教育であり医療の質、安全の向上にも繋がる。今回7/7-104日間、ハワイ大学医学部Sim TikiシミュレーションセンターでのResident Physician Courseに参加させていただいた。今まで受講したACLS,PALSなどのシミュレーションを用いたコースと比較して本研修の内容について報告する。  

 

 

7/6 移動日

成田国際空港からホノルル国際空港、宿泊地へ移動しフリー、翌日からの研修に備えた。University of Hawaii John A Burns School of Medicine(以下ハワイ大学)、宿泊施設(赤丸の周辺)は下図の通り。

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7/7 day1 Lecture:Simulation in Medical Education、Patient Safety。Night On-Call

 受講者は秋田県初期研修医2年目5人、熊本から初期研修医1年目3人、広島から3年目医師4人の計12人。午前はDr. Leeからイントロとシミュレーション教育についての講義、Dr. Bergから医療安全についての講義を受けて終了。午後にNight On-Callのシミュレーションを行った。12人を4人3チームにわけて、4症例の対応と腹腔鏡モデルを使ってのトレーニングを行った。症例はアナフィラキシーショック、急性冠症候群、頭部外傷、心房細動であった。初めにそれぞれDr. BergもしくはDr. Leeから患者情報のプレゼンが行われ、その後は必要な情報をこちらから問診するといった方式で行われた。頻繁に遭遇しうる状況ではあるが、英語での問診、指示、薬剤の名称・用量といった点が難しく感じられた。

 

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▲シミュレーターについて説明するDr. Berg          ▲救急カートの薬剤

 

 

7/8 day2 Difficult Airway Management(DAM)、Crisis Team Training

午前はDAMについて講義と実技。気管挿管困難例予測項目の暗記法であるLEMON( Look externally, Evaluate using 3:3:2 rule, Mallampati classification, Obstruction, Neck)や数々の気道確保デバイスを学習することができた。シミュレーションでは顔面熱傷や高度肥満による気道確保困難例でDAMアルゴリズムを実践した。

 

ハワイ写真4-4▲気管挿管困難例に対して輪状甲状靭帯切開を行っている

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                   ▲ガムエラスティックブジーを挿入中

 

 

  午後にはCrisis Team Training(CTT)という内容で参加者を2グループにわけ、そのグループ全体でチームとして急性期の患者対応を行ない、それを録画したビデオを見ながらディスカッションをし、改善点を見つけては次回に生かすというトレーニングを行った。症例は心肺停止や手術後のショック状態など早急な対応を要するもので、2人の参加者が患者を発見するところから始まり、スタッフの招集、各メンバーの役割分担、治療をしていくがシミュレーターが遠隔操作でバイタルサインやモニター波形が変動していき、実臨床さながらだった。 このセッションを通じて、個人個人が自分の役割を把握すること、チームでお互いに情報を共有し合うことの重要さを学んだ。

 

ハワイ写真4-6▲録画した映像でセッションの振り返りをするDr. Lee 

筆者はこのとき胸骨圧迫を担当していた

 

 

ハワイ写真4-7 7/9 day3 Emergency Pediatric Cases

3日目は小児救急対応の内容で小児科医のDr. LeeDr. Akamineが担当した。前日までと変わりシミュレーターが小児モデルとなり全4症例を実践した。 内容は気道異物、糖尿病性ケトアシドーシス、けいれんなど。第一印象から入り、モニターや身体所見をとりながら問診をして鑑別診断を考え、初期対応をするといった形でPALSを彷彿とさせるものだった。

 

 

   ▲振り返りをするDr. Akamine

 

 

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▲Dr. Berg, Dr. Lee,秋田からのファシリテーターの先生方,参加した研修医 

7/10 day4 Site Visit: Tripler Army Medical Center( Lecture with TAMC residents)、DMAT Hawaii

最終日は施設訪問でTAMCとDMAT Hawaiiを見学させていただいた。TAMCでは病院レジデントと一緒にレクチャー、症例発表を受けた。DMAT Hawaiiでは活動内容をなんと50以上に及ぶスライドで1時間ほど説明していただき、施設内見学をさせていただいた。

 

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▲TAMCカンファ室    

▲DMAT Hawaii    

7/11 帰国

まとめ

 今回私が参加しようと思った理由は、将来留学するために英語環境での医療を体験したい、他国の医療をこの目でみたいと思ったからである。ハワイという常夏のリゾート地での研修のため周囲からは羨ましがられもしたが、参加した5人とも非常に熱心に勉強し、私も当初の目標は達成できたように思う。(もちろん自由時間も多めに用意されていたので、ハワイを堪能することもできたが) 初めは英語環境、異国でのシミュレーション研修で緊張、不安しかなかったが、ファシリテーターの先生方が多くいらっしゃったこと、我々とは違う日本人レジデントや、別のコースに参加していた医師達の援助のおかげで充実した研修となった。またDr. Berg, Dr. Leeはとても優しく、指導熱心であり、日本人参加者に配慮した会話スピードであったこともありがたかった。今回が秋田県では初回のハワイ大学研修コースであったようだが、6名募集中の5人参加で全員が2年目研修医という偶然も重なり、非常に恵まれた機会だった。

 

●2015年ハワイ研修 研修報告①はコチラ

●2015年ハワイ研修 研修報告②はコチラ

●2015年ハワイ研修 研修報告③はコチラ

●2015年ハワイ研修 研修報告⑤はコチラ

 

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