平成27年度 女性外科医のためのキャリアシンポジウム
「The 7th Annual International Women in Surgery Career Symposium」参加報告書

大曲厚生医療センター
初期研修医2年目 堀江美里

 まずは今回、2月26日〜28日にフロリダ オーランドで開催されたWomen in surgeryに参加する機会をいただき、ありがとうございました。3日間参加して体験した事、感じた事や考えた事を書き連ね、報告とさせていただきます。

堀江Dr画像② 2月26日初日は、医学生とレジデントのプレワークショップに参加しました。一人一人自己紹介し、外科としてどの道を志望しているのか、日本の女性外科医の現状はどうか話す機会をいただきました。このワークショップでは医学生が多く、またファイナンシャルプランナーの方もいました。最初はこの状況が理解できませんでしたが、話を聞いていくと私が今まで知らなかった日本の医学生/レジデントとの違いを知る事ができました。まず、アメリカの医学生は4年制大学を出てから、それに続き医学部に入学し直します。計8年間の学費をローンや奨学金で賄っており日本の年金制度がないアメリカではマネープランが重要となってきます。人生設計を考えると、結婚して育児が忙しいから辞めるなんて選択肢はありえない!と言っても過言ではないような雰囲気でした。手取りの1割〜2割を貯金しておくこと、と具体的な資金運用についても触れられていることに驚きました。

 2日目はシンポジストによるキャリア形成やメンター、外科医の動向など様々なテーマについての講演を聞きました。中でもアメリアの女性外科医のプロフィール、経歴やパーソナルライフについて提示するセッションは面白く、参考にできるものでした。この日のランチタイムで、医学生がマッチングを兼ね、様々な病院からのDrに積極的にアプローチしている姿はとても印象的でした。医学生がポスター発表や司会進行を務めている姿もとても立派で、頑張っている姿をみると元気をもらうことができました。堀江Dr画像④

 3日目は半日と短い時間でしたが、レジデントのセッションに参加し、どのようにトレーニングをしていくか、特に大学院入学・学位取得をどうするかという論点のセッションが印象に残っています。国は違えど、研究なのか臨床なのか、どちらもやるのかという問題は共通のようでした。

堀江Dr画像③ 3日間通して一番に感じた事は自分の英語力のなさ、そして英語がコミュニケーションツールとして必須であるということです。大学受験を乗り越えているとはいえ相手の話している事を理解しようとし、自分が言いたい事を伝えるには私の英語力は不十分でした。そう感じるとともに、今後外科医として様々な国の医師たちと対等に渡り合っていくため、また仕事していく上で、英語を勉強しよう、話せるようになろうとモチベーションを上げる良いタイミングとなりました。そして、アグレッシブに仕事も勉強もプライベートもこなしているアメリカの女性外科医、医学生を見て、自分はまだまだ頑張れる、もっと頑張れると気持ちを高めることができ、また自分は狭い世界に生きていること、社会人としてひよっこで人としても医師としても沢山学んでいかなければならないことに気づき…様々な気づきを得られたことが自分にとって大きな収穫でした。また、今回ご一緒させていただいた先生方もパワフルな先生が多く、各先生方のお話を聞いたり3日間過ごしたりととても刺激になりました。県を越えて、病院を越えて、診療科を越えて、国を越えて…女性外科医のつながりを感じられて良かったと思います。

 日本と医療体制、勤務体制の違いはもちろんあり文化の違いも明らかですが、自分自身に手間暇かけお金もかかっている、そうして苦労して医者になったのだから“仕事を辞める”という選択肢はほぼないという考え方に驚いたとともに、その精神が素晴らしいと感銘を受けました。日本では勤務時間、子育て、キャリア形成…と多くの問題があり現状では厳しいですが、いつか女性医師が家庭の事情や燃え尽きなどで辞めることなく、糸は細くとも仕事を続けていく、そんな働き方のできる社会になれればいいなと思います。 

 今回、このような貴重な機会をいただき、あきた医師総合支援センターの皆様に感謝しております。ありがとうございました。

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