活動報告

開催日:2016年7月11-13日(月ー水)

カテゴリ:

ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター日本人研修医向けトレーニングコース”SimPLE” 研修報告②

秋田大学医学部附属病院 初期臨床研修医2年目

(ハワイ研修参加時、秋田厚生医療センターにて研修中)

渡部 健

  

  

初めての海外,そしてSimPLE参加報告

  

 

私は,これまで海外に行ったことがない.先生方は「若いうちに海外に行って,日本との違い,海外のいいところを学んでこい!」と話し,同期の中には学生時代に長期休暇のたびに世界各地を飛び回るヤツも少なからずいた.恵まれた日本から飛び立つことに正直そこまで魅力を感じることはなかった.英会話能力が乏しい,という問題が大きかったという理由のほうが大きいのかもしれないが.昨年もSimPLEの話は聞いていたし,大学病院で研修していたこともあって先生に参加を勧められていた.ただ,前述の理由からその打診を断っていた.

そんなこんなで初期研修2年目に突入し,今年もSimPLEの案内が来た.正直かなり迷った.たすき掛け病院での研修中であり,研修期間の関係から有給休暇を取得できないというアンラッキーな事案もあった.けれども参加を決意したのは,なんとなく海外に行ってみたくなった,というミーハーな思いからだろうか,それとも,医学教育に学生時代から興味があり,シミュレーション教育先進国であるアメリカ・ハワイで本場のシミュレーション教育を経験してみたかったからだろうか.うまく思い出せないが,どちらもということにしておく.

 

Day 1Orientation / Lecture / Pediatric Emergency Cases

 Dr. Bergによるwelcome

 

1commentsと自己紹介の後は医学教育におけるシミュレーションについての講義があった.シミュレーション教育の利点がevidence basedで説明され,非常にクリアカットであった.シミュレーション教育を推している理由が把握できた.その後,日本からハワイ大学のレジデンシーとして研修を行ったDr. Miyamotoによる講義もあり,日本とアメリカの医療・研修の違いについて学んだ.

 午後からシミュレーションを用いた研修が始まり,Pediatric Emergency Cases:小児救急についての研修があった.大学病院の救急外来ではシステム上小児を診ることがなく,3か月ほどたすき掛け研修先の救急外来にて小児の対応をしただけであり,PALSも受講していなかったため,ほぼすべてが初めてのcaseであった.私がリーダー役をしたけいれん重積の子のcaseでは,最初の薬剤が効かずあたふたしているところを周りのメンバーに助けてもらった.1回でも経験していれば,と悔しい思いもしたが,その経験をシミュレーションでできるのがシミュレーション教育の一番の目的なのだと腑に落ちた.まあ,当たり前だが.

 日本人のfacilitatorがいた,というのもあるが,初日の感触としては,意外とやれる?と感じた.(単語ベースであり,相手も頑張って聞き取ってくれるというのも大きいが)英語でのコミュニケーションはそんなに厳しくなかった.2日目はもっとコミュニケーションをとってみようと決意した.

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Day 2One night On-Call / Critis Team Training(CTT)

 

3 午前は病棟急変の対応の研修であった.「なんとなく変」であることを察してsafety netを張ること,primary surveyをもれなくきちんとできること,これらをさまざまなcaseを経験する中で繰り返し体に染み込ませていった.その中で,知っておかなければならない知識の脱落もあり,それらの再確認もできた.

アメリカでは緊急時の対応をするチームがあり(大学病院ではCAC callで大勢が集まる),午後はこのチームのシミュレーション研修,CTTを行った.このトレーニングではシミュレーションをビデオ撮影し,デブリーフィングで確認しフィードバックにつなげるという趣旨があった.シミュレーション中はとにかく必死であるが,ビデオで振り返ると何やっているの?という行動が多くあり,思った以上に格好悪かった.それぞれの役(担当)の立ち位置は決まっており,不思議な位置にいるとDr. Bergから「ここで何やっているの?」とツッコミが入った.システマティックにチームで行動するためには,位置取りからきちんとシミュレーションできている必要がある,と学んだ.担当を決めていないというのは以ての外であった.

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この日の夜はSimTikiスタッフのみなさんからwelcome dinnerにお誘いいただき,Hawaiian buffetを頑張って食べながら,頑張ってDr. Bergと話をした.岐阜大からSimTikiに研修にいらしていたDr. Ushikoshi3人で話していると,このようなシミュレーションは「最後までやる」ことではなく「topicをわかってもらう」ためにやるのだと教えてもらった.私はACLSなどの経験から前者の認識でいたが,目からうろこであった.

 

 

Day 3Tour of Castle Medical Center

5 3日目はアメリカの実際の医療現場を体感するというコンセプトの元,ホノルルから少し離れたカイルアにあるCastle Medical Centerを見学させていただいた.Dr. Sandersonに案内していただき,海外医療系ドラマで見たことのあるような病院内を見て回った.ERは(ドラマで見たことのあるように)個室になっており,20室以上もあった.さらにその半分以上は患者が入っていたのではないかと思う.ERの部屋にも,入院病棟の部屋にも,患者や医療スタッフが共有できるホワイトボードがあったのが新鮮だった.前日までのシミュレーション研修でもそうだったが,情報共有の重要性を再認識した.ERの部屋のホワイトボードにWelcome! と書かれていたのは幾分複雑であったが.

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 今回SimPLEへ参加するにあたりお世話になった,あきた医師総合支援センターのみなさま,一緒に同行してくださった守時先生,佐藤さま,SimTikiDr.BergDr.Leeはじめスタッフのみなさまには,私の初めての海外,そして研修にあたりたくさんのサポートをいただき,感謝してもし尽くせない.

 ハワイでの生活は(研修以外では)ほとんど日本語か単語を並べただけの英語で十分事足り,海外に行った感じはあまりしなかった.けれども,私の海外への第一歩としては十分すぎるくらい良い研修であった.7研修もenjoyできた上に,観光それなりにかなりenjoyできた.これまで海外嫌いだったのが,まるで嘘のようだ! 次は海外の学会にでも行ってみようか….

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●2016年ハワイ研修”SimPLE” 研修報告①はコチラ

●2016年ハワイ研修”SimPLE” 研修報告③はコチラ

 

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