活動報告

開催日:2016年7月11-13日(月-水)

カテゴリ:

ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター日本人研修医向けトレーニングコース”SimPLE” 研修報告③

秋田大学医学部附属病院 初期臨床研修医2年目

佐藤 佳澄

  

研修日時 平成 28 年 7 月 11 日~7 月 13 日

研修先 SimTiki Simulation Center(11~12 日), Castle Medical Center(13 日)

  

   

【7 月 11 日】

 

DSC08656オアフ島の南東部に位置する Kaka’ako 朝 9 時、ハワイ Dr.Berg の歓迎に引き続き導入としてシミュレーションについてのレクチャーと、シミュレータを用いてのオリエンテーションが行われた。シミュレータは小児、成人が各 1台ずつで、バイタルサインのモニタリングや胸部聴診、口腔内視診等が可能である。隣の部屋にはコントロールルームがあり、我々参加者の医療行為に対して何らかの反応がある(例えば、輸液を行えば頻脈が解消し、血圧が上昇するなど)。参加者は日本全国から集まった日本人レジデント 14 人で 2~3 チームに分かれて活動することになるという。ひととおりシミュレータに慣れたあとは Dr. Miyamoto による米国の医療制度とレジデント制度の実際についてのレクチャーと、小児の救急医療概論のレクチャーがあった。Dr. Miyamoto は Queens Medical Center のHospitalist で、病院の入院診療を専門に行っている。米国の経済効率を重視した医療行為と、それゆえの Evidence Based Medicine の発展等について日本語で講義があった。また、小児救急のレクチャーは Dr. Janett が英語で行った。どうしても小児救急には苦手意識があったが、それを知ってか敷居は低く抵抗感がなくなるように徹底された講義であった。だんだんと慣れて来た頃、16 時をまわる前に Day1は終了した。

 

 

【7 月 12 日】

 

2 日目はほとんど講義がなかった。午前中は One Night On-Call といって、夜間の病棟当直の対応のシミュレーションを行った。チームで入院患者の急変の初期対応をしながら、どのような背景の患者かの情報収集を行って根本治療につなげていくというシナリオである。日勤帯と夜勤帯の勤務の区別がはっきりとしている米国ならではで、患者情報が前もってそれほどわかっていないところが難しいところであり、面白みを感じさせるところであった。午後は、Crisis Team Training のシナリオを何度か行った。日本では(少なくとも当院では)院内の急変時の対応は、院内放送を聞きつけた病院中の医師が即興のチームで行っていく。しかし、米国ではどの病院も院内急変専門のチームが予め組織されているようだ。チームを組織し、各々が別の役割を効率的に機能する訓練というのは かなり新鮮だった。無題チームでの振る舞い方についてほとんど考えたことがなかったからだ。シミュレーションは録画されており、その映像を逐一一時停止しながら指導を受けていく。場が萎縮しないように、基本的には肯定からはじまり、もっとよくするためにはどうしたらいいのかを考えていく、というスタイルをとっていた。ただでさえ英語のやりとりであり場が萎縮研修報告書しやすい中、いかに活発な雰囲気を維持するかということに配慮された教育だったと思う。言語の壁がある程度あり伝えられる内容かなり制限されるはずが、教育上の細かい配慮により満足度の高い内容になっていると感動した。医学知識そのものも勿論勉強になったが、教育の方法論についてもかなり勉強になった。Day2 の終了後はハワイアンビュッフェで先生方と大いに楽しんだ。この頃には英語で話すことに慣れてきており楽しむ余裕が少しは出ていた。

 

 

【7 月 13 日】

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Castle Medical Center は 160 床程度の病床ほどの規模でありながらカバーする地域は広く、職員も 1000 名以上いる。病室やカテ室、ER、ICU などを順番に見学していったが、最も驚いたのは部門の配分のバランスが日本と全く違うことだ。まずかかりつけ医の予約なしには総合病院を受診できないという制度があるからか外来が狭い。そのせいか ER が充実していた。些細なことではなかなか入院できない分、ER からの急入院の割合が多そうだ。使われている機材は世界共通のものが多くなんとなく見慣れた光景に感じる部分もあった。院内に狭いが小奇麗に整えられた教会があり文化の違いはもとより患者への敬意を感じた。自身の病院にプライドを持って働いている様子が見受けられた。

 

 

【全体の感想】

 

シミュレーショントレーニングは内容として平易ながらも学びが多いものだった。平易ながらも新しい学びがあるというは珍しいことだと思う。指導者たちもトレーニングされており、よく研究された教育システムなのかなと感じた。今後の自分の学習に活かしたい。また 2 年目になって教育的立場になることも増えてきたためそういった面でも参考になった。英語であるということは学習内容の本質とは関係ないが、医療英語を実際使ってみて、語彙力の拡充が医療英語の充実にかなり直結すると肌で感じることができた。救急的な診療上、よくつかう言葉というのがなんとなくわかったのでそういった面でも研鑽していきたい。総合的に参加してよかったと思っている。また同じようなチャンスがあれば行くだろうと思う。

 

●2016年ハワイ研修”SimPLE” 研修報告①はコチラ

●2016年ハワイ研修”SimPLE” 研修報告②はコチラ

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