女性医師支援

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秋田大学医学部
循環型医療教育システム学講座

小児科 岡﨑 三枝子先生

今回平成27年7月7-10日、あきた医師総合支援センター主催のハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター現地視察、ならびに日本人研修医向けトレーニングコース同行、Faculty Half Day Courseへ参加する機会を頂きました。
そもそも小児循環器医である私がなぜこのような研修に参加するに至ったか、これまでを振り返って書いてみたいと思います。

小児循環器医

最近、自分の研修医時代を振り返ると、システムの違いに時代を感じてしまうのは私だけでしょうか?

今とは違い私が研修医だった時代は、卒後直接医局に入局し、1年目に秋田大学小児科各専門グループを2-3ヶ月毎にローテーションし、2-3年目は県内二次病院小児科で一般小児科を研修するシステムでした。小児救急に興味を持っていた私は、1年目の最後に研修した、緊急/重症を扱う循環器グループがぴったりと合って、小児循環器グループに入ることを決めました。

その後2年間の平鹿総合病院の一般小児科研修を終え、大学に戻ると同時に大学院に入りました。大学院生としての研究と病棟業務を兼務することが小児循環器チームの方針でしたので、数年間は病院に住むかのようなハードな毎日を過ごしていました。小児循環器は厳しい仕事ですが、専門性が高く技術も身に付き、かつ重症児をしっかり受け持つ仕事で、「かっこいい」女性医師を目指して充実していました。

AHA-PALS Instructor

その頃、心肺蘇生関連のトレーニングコースが全国的に広がってきて、BLSを経て成人の二次救命コースであるAHA—ACLSを受講しました。初めてのシミュレーションコースがとても楽しく、受講後充実感の得られるコースでした。このころから何となく、こういったコースのインストラクターに興味を持っていました。

その後、小児の二次救命処置のコースであるAHA—PALSが国内で開催されるようになり、宮城県立こども病院で開催されたPALSコースを受けに仙台まで行きました。まだ国内で始まったばかりでテキストは英語、最終実技試験も英語でした。でも、このコースが内容・楽しさともにとても充実しており、シミュレーションを使ったトレーニングコースが大好きになりました。私は小児科医なので、これまでのコースの中でPALSに最も興味を持ちました。PALSインストラクターになれば、AHAが保証した教育技術が身につくというのも私のキャリアアップとして魅力的だと思いました。

秋田ですでに活躍され、県内唯一のPALSインストラクターであった秋田市立総合病院小児科の小泉ひろみ先生からも推薦していただき、コースをお手伝いしながらインストラクターコースまで待つこと2年。二人目の子どもを妊娠中でしたが、インストラクターコースを受けないという選択肢は私の中にはなく、大きなおなかでインストラクターコースを受けました。その後モニター期間を経て2009年にAHA—PALSインストラクターになり、それ以降、本当に楽しみながらPALSインストラクターを続けています。

PALS×シミュレーション

PALSは教材や教育内容ともに二日間に凝縮されたとてもよいトレーニングコースで、はじめはPALSの内容を隅々まで把握し、確実に指導できるようにと必死でした。

その一方で、周囲からは「PALSインストラクター」としてコース内容を超えたシミュレーション教育の打診を受けるようになりました。希望を聞くと、シミュレーションに期待する教育内容が多岐にわたり、一つのシナリオにたくさんの内容を込めたい思いが伝わってきました。ところが、シミュレーションをする際に、「内容を削ってシンプルにし、焦点をはっきりさせる」ことが大事だということも体験的にわかってきていたので、悩みは深くなる一方でした。焦点を絞ることの大切さを説明しても「現実の臨床現場とはちがう」と言われたり、なかには「シミュレーターは人とはちがう」(←当然ですね)とのコメントも。

さらに、PALSコースのなかでは2010年の心肺蘇生ガイドライン変更後のコース改訂でデブリーフィングが重視され構造化デブリーフィング(GAS法など)が入ってきました。「従来のインストラクション」ではなく、「ファシリテーション+デブリーフィングによる受講者のActive learning」が教育効果を上げると強調されました。自分の置かれた臨床現場で役に立つシミュレーションをどうやって行くか、慣れないデブリーフィングをどう上達させていくか、悶々と悩み続けていました。

iSIM-J (Improving Simulation Instructional Methods)との出会い

そんな時、特に目的なく見ていた病院掲示板にあきた医師総合支援センター主催の「iSIM-J (Improving Simulation Instructional Methods)-シミュレーションインストラクション手法の強化—」のポスターを見ました(なんと10万円近くの受講料が、県内医療従事者は全額補助!!)。

シミュレーション教育の指導者向けコースがあること自体初耳でした。ポスターには「シミュレーション教育の指導技術やプログラム作成方法をグループディスカッションや実際の指導体験から学ぶインストラクターのためのアドバンスコース」と記載あり。そしてその入門コースである「FunSim-Jを受講済みであることが参加条件、ただしシミュレーション教育経験のある場合、参加の可否を検討します」とあり。これを読んで、私の悶々とした悩みと一人相撲に突破口が得られるかもしれないと思い、申込書に「PALSインストラクターの経験5年」と大胆に記載してFunSim受講なしで認めてもらえないか、ダメもとで申し込んでみました。
申し込み後、待つことしばらくあり。その後「コースディレクターの許可あり、受講OKです」とお返事を頂きました!

2014年10月4-5日みっちりのiSim-Jでしたが、コース内容は私のニーズにぴったりで響きまくり、頭の中で混沌としていた物がきちんと整理され、修了後すっきりとしたさわやかな気分でコースを終えました。講師の先生方からは、「今回のMVPですね!」「keep in touchですね」などととても嬉しい声をかけていただき、「これはつづけるぞ〜〜〜〜〜〜!!」と思った2日間でした。

その後継続コースであるASISTやASIST follow up research projectにも参加し(というか飛びついて)、私のもう一つの得意分野にしてみたいと野望を抱いています。

ハワイ大学SimTiki シミュレーションセンター研修への打診

そんな中、7月開催のハワイ大学SimTikiシミュレーションセンターResident courseへの同行とFaculty half day courseの参加へのお誘いを頂きました。

参加するとなると1週間秋田から離れることになります。私自身、メインの仕事である小児循環器の臨床への責任もありますので、医局やチームから許可が頂けるかなと思っていたところ、教授や医局長(我がチームの責任者)は、派遣依頼書をみて「良いんじゃない?」とあっさりOK、嬉しくてニタニタしてしまいました。

超重要:家族会議

私には5歳と11歳の二人の子どもがおり共働きで、特に下の子が生まれてからは海外出張をしていなかったので、まず夫と話し合いする必要がありました。

普段は私と夫のシフトを調整する形で学校行事への参加、保育園の送迎、家事分担などしていて、近くに住む祖父母はいません。ですので、私の出張が可能なのか、その間育児と夫の仕事は両立可なのか心配がありました。私の出産前後の数ヶ月の休みをのぞいてずっと二人で育児家事をしていたので、「こどもを見れるか」「家事ができるか」という問題はなく、むしろ時間的/体力的な問題でした。

今回の出張が小児科や小児循環器関係ではないことから、夫は私の仕事にとってどんな意味があるのか聞いてきました。ちょっと興味があるからとか、ハワイに行きたいからという理由はないぞ、と。小児循環器診療と平行してシミュレーションをやっていく意味、この分野へのニーズが今後も間違いなくあること、小児科医ではあまりやっている人が少ないこと、など説明すると、「これからのキャリアアップに重要ならいいよ。」と了解してくれました。
「お母ちゃん、お仕事で一週間ハワイにいってくる(下の子には6回寝たらかえってくる)」と子ども達に説明すると、「いいなぁ、ハワイ!!」といってフラダンス。すごくうらやましがるので、大事なお仕事だというと、遊びではないことを話すと「お土産かってきてくれるならいいよ。ただし、ハワイにしかない物を買ってきてね。」と。

そんなこんなで家族の了解がとれました。また、力を貸してくれる友人や知り合い数人に「一週間不在なので、うちからヘルプがでたら助けて下さい」とお願いして旅立ったのでした。

ハワイ大学SimTiki シミュレーションセンター研修:7/7-10


そして参加してきました!
日本人向け研修医シミュレーショントレーニングコースへ同行、Faculty half day course。

内容は単独で別に書いた方がいいのではと思います。
概要を書くと、研修内容はPatient safety、One night on call, Difficult airway management, Crisis team training, Pediatric emergency(コースは英語)で構成されており、秋田から参加した2年目研修医5名は、とても積極的で明るく、時には日本語と英語がシャッフルしてもお構いなしに自分の意見や考えを伝えようとしており、良い研修ができたことと思います。また私自身はこの教育コースを、学習者としてではなく、どう指導しているのかを学ぶ良い経験ができました。

Pediatric emergencyではシミュレーション中の母親役で参加し、またそれに引きデブリーフィングの通訳をすることで、指導者が何を見てどのように考え、学習者にどうactive learningをうながしていくのか、一部ですが垣間見ることもできました。
またFaculty course ではJust in Time Trainingや学習対象者やレベルに合わせた内容の修正などはすぐに現場で非常に役立つ内容でした。

されにそれに加え、Facultyとして参加した、秋田大学総合臨床教育研修センターの大嶋先生や守時先生、大曲厚生医療センター麻酔科大高先生との研修時間外でのコミュニケーションも重要でした。そしてその会話の中で、私がFunSimを受講せずiSIM-Jに飛び込めたのは大嶋先生や守時先生がコースディレクターに推薦して下さっていたという事実も知りました。それがなかったら今の私はありません。

今後の小児のシミュレーションに関してもたくさんのアイデアと展望が持て、参加して本当によかったと思っています。

なが〜くなりましたが

混沌とした悩みから始まったシミュレーション教育コースの受講ですが、ひとつすすんでみるとさらに上を目指したその次があり、ハワイ研修参加まで水面上/水面下の両方で数多くのサポートを頂きました。これまで頂いたたくさんのバックアップに対し、これから地に足をつけて、少しずつ還元していきたいと思っています。

「女性医師エッセイ」ということで、これを読んで下さった県内女性医師の皆さん、その他の医療従事者の皆さん、小児に関するシミュレーションやスキルトレーニングの希望があればお知らせ下さい。

臨床メインなので時間は限られていますが、ぜひ少しずつ継続してやっていきたいと思っています。
今後がますます楽しみです!

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