秋田大学医学部附属病院の泌尿器科の先生3名が、約1週間、沖縄に研修に行ってくださいました。
研修内容や感想を報告していただきましたので、抜粋してご紹介いたします。

~嘉島相輝先生から~

[研修先医療機関名]  沖縄県立宮古病院 泌尿器科
            琉球大学医学部附属病院 泌尿器科

[研修期間]      平成26年1月27日~平成26年1月31日

[研修項目および概要]   外来見学、手術見学

[研修内容]
 宮古病院
・院内見学(総合受付、医局、泌尿器科外来)
・手術見学(膀胱生検、前立腺生検)
・外来見学、検査補助

 琉球大学
・手術見学(生体腎移植術、膀胱全摘+回腸導管造設術)
・外来見学

① 刺激を受けたり、ユニークと感じられた点

宮古病院は、277床の病床数を持つ地域の中核総合病院であり、泌尿器科常勤医は1人である。
離島という地域性と病院規模を考えると、1人の先生が外来や全身麻酔手術までこなす体制は、大変そうだと感じた。
また、琉球大学泌尿器科に勤務している医局員は約8人であり、大学病院における幅広い診療内容を考えると、決して人的余裕があるわけではない中で、力を合わせて沖縄県の医療を支えていると感じ、刺激を受けた。

② 地域的な違いを実感した点

離島の宮古島にある宮古病院には、通常時では輸血用製剤がそれぞれ2単位ずつ程度しか常備されていないと伺った。
それ以上の輸血が必要となった場合や、宮古病院で対応できない様な患者さんはヘリコプターで沖縄本島まで搬送する必要がある。
一方で秋田県は、都心から離れているといっても陸続きであり、緊急に必要となった医療資源のほとんどはすぐに準備可能である。
宮古病院のような、限られた医療資源の中で診療を行っておられる医療者は、より高い医療レベルが求められる環境で働いていらっしゃると感じた。

③ 学生、研修医の指導体制や研究について気付いた点

琉球大学では、泌尿器科を含む外科系の入局者がとても少ないと伺った。
一方で、精神科、眼科、皮膚科の入局者が多いとのことだった。
どの大学でも、外科離れは共通の深刻な問題であると感じた。

④ 今回の研修で今後に活かしていきたい点

手術や外来診療一つ一つで、たくさんの秋田大学との違いを感じた。
どちらが優れているという事ではなく、他の施設と自分の施設の診療を見比べられて非常に参考になった。
秋田大学で診療していると、いつの間にか自大学で行っている定型的な診療以外は勉強しなくなってしまいがちであり、普段遭遇しない疾患や、普段行わない様な手技などについても、幅広く勉強する必要性を再認識した。

⑤ 今回の研修から改めて感じた秋田の良い点、悪い点

今回の研修を通じて、琉球大学泌尿器科は医師不足や限られた医療資源の中でも、力を合わせて質の高い医療を行っていると感じた。
秋田も共通した部分が多く、我々医療者だけではなく秋田県や秋田大学も含め、一丸となって秋田の医療を良くしようと尽力している点が、非常に優れている点だと感じた。

嘉島先生① 嘉島先生②