ハワイ研修を終えて 

秋田大学医学付属病院 初期研修医2年目 地主 有希

参加が決定してから、当日研修に参加するまでの数週間は英語での研修で緊張と不安もありましたが何よりハワイに行けるワクワク感でいっぱいで、研修+観光の準備はバッチリでした。

【研修1日目】

数日前から現地入りしていたため時差ボケもなく、万全の状態で初日を迎えられました。ホテルからThe Busに乗り、Google Mapのおかげで迷うことなく研修先のJOHN A.BURNS SCHOOL OF MEDICINE のMEDICAL EDUCATION BUILDINGに到着しました。今年初長野県の2病院から5名のレジデント、秋田県の各病院から5名のレジデントが参加し、計10名での研修が始まりました。

例年女性参加者は2〜3割とのことでしたが、今年は私一人でした。自己紹介、センターの紹介、アメリカの医学教育についての講義、医学英語の講義など座学授業を終えた後にシュミレーターを用いたトレーニングを行いました。3〜4人の班を作り、各ブースを回るというスタイルで、最初は遠慮したり役割分担ができなかったり、バラバラの動きをしていたメンバーでしたが数を重ねていくに従って段々とチームとして動くことができるようになっていったように感じました。それは、各シナリオが終わる毎に振り返りをした時に、これは試験ではなくトレーニングであり、間違いを指摘するのではなくBetterな行動・選択をするために次回からどうしたらいいかに重点を置いてセッションを行ったからだと思います。

【研修2日目】

アメリカの医療の現状についての講義と小児救急のシュミレーションを行いました。小児救急のトレーニングは初めてでしたが、大人の初期対応と同じ様に、小児の初期把握ができるようAVPU(Awake,Verval,Painful,Unresponsive)を教わり、それを利用し前日と同様に数種類のシナリオに挑戦しました。赤ちゃんが症状を教えてくれるわけもないので状態の把握が難しく、また鑑別診断も普段救急外来でみている大人の時の様には挙がらず少し悔しい思いをしました。内視鏡鉗子を使ってブロックを移動するトレーニングでは参加者同士でタイムを競い、ゲーム感覚でできたため、楽しみながらスキルアップを目指せる、初心者には最適なトレーニング法だと感じました。アメリカではこのタイムトライアルの試験があり、自分の専用の内視鏡鉗子を持参する医学生もいるとのことで、自分が学生だった頃を思い出して、技術に対する意識の差に驚きました。

瀧先生が講義してくださったアメリカの医療の現状について、強く印象に残っているのは医療スタッフの仕事が専門化・細分化されており各々に責任を持たせている点です。

国民皆保険の日本では病院を受診する患者数が多く医療費の自己負担が少ないため、アメリカに比して医師一人当たりの担当患者数が多く、平均在院日数が長くなりがちです。日本医療の在り方について、職場としての病院についても改めて考えるいい機会になりました。

【研修を終えて】

充実した講義・トレーニングで有意義な2日間でした。

何よりもアメリカ医学教育が実践的である事に驚きました。最近は変わってきていますが、私が学生だった頃は4年生までは基本的に座学の授業で、機器を使っての実技はあまり経験がありませんでした。そのため研修医になってから練習を始めた記憶があります。まだまだシュミレーション教育は日本では発展途上ですが、秋田大学医学部付属病院にはシュミレーションセンターがあり、私自身も研修医1年目に腹部・心臓のエコーを練習しました。現場で使える様に練習を重ねたいと思います。


 ↓ その他の方の研修報告は、こちらからご覧ください。
”SimPLE” 研修報告2019①
”SimPLE” 研修報告2019②
”SimPLE” 研修報告2019③
”SimPLE” 研修報告2019④