秋田市消防本部救急課        保坂      寛

*この度は、AMLS プロバイダーコースを受講できる、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
こちらのコースでは、傷病者と対応するうえで、段階ごとに鑑別診断を行い、考え得る疾患を想定し、観察・問診・状況を聴取していくことで、鑑別診断の精度を高めることを繰り返しました。
日本の救急救命士・救急隊員教育では、傷病者との接触から、早期に緊急度を判断し最重症疾患を見逃さない教育訓練がなされています。
言い換えると最重症と判断した疾患に対応できる医療機関を選定して搬送後に、実際の疾患の緊急度はそれほど高くない疾患であって、結果的にオーバートリアージになったとしても 容認されるという認識が一般的です。
臨床的推論という、考えられる疾患について、所見・病歴・迅速検査から、可能性の高い疾患についての鑑別や、可能性が低い疾患についても同様に、なぜそのような判断になっているか根拠となる材料を探し、繰り返し鑑別診断を行い、自身の鑑別結果を言語で表現するトレーニングに新鮮に感じられました。
鑑別診断をニュアンスではなく、言語で表現するトレーニングは、伝える側・伝わ る側共に、認識の共有ができ、正確な伝達ツールとしても有用と感じました。
受講後に感じていることとして、コース中は個人的な知識不足を感じる場面もあり、同じ救急救命士資格のインストラクターも最後の振り返りの挨拶で言っておら れましたが、知識の習得など自己研鑽へのモチベーションアップに対し、大きなきっかけとなったと思いました。
今後は、臨床的推論の必要性や重要性を広く救急救命士・救急隊員へ伝えることが、私の役目であると感じております。
救急救命士のどこの層(経験年数·年齢) をターゲットにするのが効果的かといったことも思考しながら、是非、秋田開催につなげることができるように、様々な活動を続けていきたいと考えております。
改めまして、今回このコースをご紹介いただき受講できたことで、それまで体験できなかった経験をさせていただきました。ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願いいたします。