iSIM-J 研修報告

ICU1看護師 加藤 貴則

開催日時:令和1年11月30日〜12月1日
開催場所:虎ノ門病院*

Funsim-Jに引き続き、今回iSIM-Jに参加させていただきました。前回のFunsim-Jから学んだ知識を活かし、日々行っているシミュレーションに評価シートの導入や学習者の安全な環境の確保に取り組んできましたが、研修デザインの評価やデブリーフィングに課題があり、それらの課題がiSIM-Jを通して少しでも解決し、シミュレーションの質が向上することを目的に参加いたしました。*

Funsim-Jでは研修の理論など講義がメインでしたが、今回のiSIM-Jでは実際にグループでシミュレーション教育を作成し、シミュレーションをやってみて評価してみるという実践形式の研修でした。まず、シミュレーションを設計するにあたって、一番重要であることは目標を明確化することでした。その目標を達成するためには、準備物品にはどのようなものが必要であるのか、方法はどのようにするのか考える必要があり、目標を明確化しないままシミュレーションを設計が曖昧となり、失敗してしまうことを学びました。そして、目標はより詳細で評価できるものにしないと研修デザインが成功なのか失敗なのか評価できないということも実感しました。講義の中でデザインを評価するためのSMARTという視点も学び、Specific(具体的に)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Related(目標に関連した)、Time-bound(時間制約)の視点で院内でのシミュレーション教育にも活用していきたい。また、個人のスキルを目的としたシミュレーションとチームでのシミュレーションでは目的が異なり、評価視点やデブリーフィングの内容も異なってくることを研修で実際にシミュレーションを行うことで学びました。院内で行っている蘇生プロトコルシミュレーションは多職種で行っているシミュレーションですが、評価シートの内容は役割ごとの個人スキルの評価がメインとなっており、デブリーフィングではチームダイナミクスについてのファシリテーションと混合していました。目標を明確にして、目標達成のためにはどのようなデブリーフィングを行うべきなのか研修デザインの評価を行って改善していきたいと思います。

*今回の研修ではシミュレーション教育設計のことだけでなく、複数人のグループでシミュレーション設計することは難しいことであることも学びました。研修を設計する立場の人も一人ひとりやりたいことや目指す目標が違い、コンセンサスを得て設計することがとても難しく時間がかかることであると思いました。しかし、複数人で色々な理想や目標を語り、ディスカッションすることでよりよいシミュレーション教育になることも実感しました。現在行っているシミュレーションではたくさんの方々の協力のもと成り立っています。研修で色々な知識を学んだからこそ、シミュレーションを一緒に行ってくれているメンバー全員で課題や目標を共有してより良いシミュレーションにしていきたいと思います。*

貴重な研修の機会を与えてくださったことに大変感謝しております。院内でのシミュレーション教育はこれからも続けていきますのでお力添えいただければ幸いです。