これまで必修化されていなかった小児虐待について、あらたに医師臨床研修指導ガイドライン2020で初期臨床研修の必修項目として学ぶことが定められました。

秋田県内初期研修医の研修のため、また秋田県内の救急・小児救急に関わる医療従事者の学びのため虐待対応セミナーを開催することとしました。

上記ガイドラインで示された内容を網羅し、よりよく小児虐待を発見・対応・治療していくために必要な知識を学び、さらに法医学的マインドを持った診療ができることを目標としたセミナー内容を組み立てました。

市立秋田総合病院小児科・BEAMS講師の米山法子先生より小児虐待に関する基礎知識、法制度、院内虐待対策チームとその活動について、虐待を疑う診療場面と早期発見のポイント、所見の取り方と虐待を疑う所見、通告とその後の社会的対応についてご講義いただきました。

続けて秋田大学法医学講座美作宗太郎教授より、被虐待児に対する法医学の関わりと法医学者の役割、法医学的アプローチは死後のみではなく、生体の損傷検査も行うこと、法医学的マインドを持った対応として、診察の仕方、損傷の観察の仕方と記録の残し方(証拠としての記載を意識する)、記録としての写真の撮影方法と画像管理についてご講義いただきました。

100名を超える先生方に受講していただき、また当日どうしても受講できなかった方に対してオンデマンド対応を行いました。

今回初回のセミナーであることから、パイロットコースとして全ての秋田県内初期研修医のみを対象として行いましたが、次年度以降、研修医のみならず他職種に広げてセミナー開催を行なっていく予定です。

(岡﨑 三枝子)