PALSプロバイダーコースは、米国心臓病学会(AHA)認定・小児二次救命処置コースです。講義とタスクトレーニング、ケースシナリオシミュレーションを二日間かけて学びます。コロナ禍にあって全国各地でコース中止に追い込まれているなか、幸いにも秋田ではこれまで中止することなく、小規模ながら毎年開催することができました。今年度もシミュレーション教育センターを全館貸切で開催しました。

ガイドライン2020のコースとしては秋田では今回初開催となりました。2020年10月に新ガイドラインが発表となり、ガイドライン・テキスト・画像などの改訂・翻訳作業を経て、今年度より新ガイドラインのコースとなっています。

今回、初期研修医3名、看護師1名の方にご参加いただきました。当日キャンセルされた方もいたために4名開催となりましたが、ゆっくりと確認しながら学びを進めることができました。初日に盛り込まれている気道管理や骨髄路確保、また実際に除細動器を操作してみるスキルステーションに引き続き、12のコアケースシミュレーションを通してリーダーとして診断を考え、対応を決めていき、チームコンセプトを意識しながら蘇生処置の質を維持するなど、盛りだくさんの内容を学びました。

途中、たまたまシミュレーション教育センターに来てくださった、医学教育学講座の長谷川先生もPALSコースを見て、そして撮影して行かれました。「PALSコース、シミュレーションをこれだけしっかりやっていてすごいなあ。」とお褒めの言葉をいただき光栄です。

初対面の方同士でもあり、最初はやや遠慮がちなチームでしたが、二日間かけて徐々に蘇生チームらしくなっていきました。お互いに声を掛け建設的に意見を出し合いながら小児の救急対応・蘇生を学習され、感じた疲労感も心地よいものだったのではないかと思います。ぜひ本コースで学んだ知識と技術、チームワークを臨床現場で活用していただければ幸いです。そして2年後のアップデートコースでまた、一緒に学びの時を持てることを楽しみにしています。

                                  AHA-PALSインストラクター

                あきた医師総合支援センター、総合臨床教育センター 岡﨑 三枝子