第43回 FunSimJ 活動報告
秋田大学医学部附属病院
中野 あゆみ
この度、琉球大学医学部附属病院シュミレーションセンターにて【シュミレーション基盤教育セミナーFunSim】を受講させていただきました。琉球大学医学部は、附属病院を含め令和6年度末に移転したばかりで、できたばかりの広い病院内や大学施設、充実したシュミレーターなども見学させていただきました。また、セミナーの内容はとても勉強になるものばかりで、シュミレーション教育の難しさや、自分の知識・経験不足を感じるとともに、その楽しさにも気づくことができました。
2日間に渡り、シュミレーション教育に必要な一連の流れをグループワークで確認し、実際に別グループにシュミレーション教育を行い、振り返りをしました。その中でも特に印象深かったのは、デブリーフイングにおいては「教える」のではなく「学習者が気づくように導く」必要があるということです。私はグループの中でデブリーフィングを担当しましたが、学習者自身が気づくためにはどのような問いかけをすればいいのか、活発な意見交換を行うためにはどのようにしたらいいのか、事前に計画を立てていたとしても想定内の答えが出てこなかったり、誰も意見を発しなかったりすると、学習目標の達成に導く方法がどんどん分からなくなり、予定より大幅に時間がかかってしまいました。結果的に目標達成はできましたが、シュミレーション教育の多くの学びはデブリーフィング中に行われるため、指導者に求められるスキルを身につけるためには何度も練習する必要があるということを実感しました。
他にも、目標設定やシナリオ作り、シュミレーターの選択、オリエンテーション・ファシリテーション・評価方法の確認などを行いましたが、学習効果を高めるためには、どのフェーズにおいても綿密な計画やテストが必要であると学びました。例えば用語1つとっても、個人によって解釈が違うような大雑把なものだと、実際に学習者が混乱してしまう場面が見られました。またファシリテーションでは、期待する行動と、その行動をしない場合の計画を事前に明確化しておくことで、学習目標を達成できるように導く効果的なシュミレーションが行えると学びました。
今まで私はシュミレーション教育に指導者として関わった機会がほとんど無く、今回のセミナーでは、今までの自分には無かった指導者としての視点や考え方をたくさん学ぶ事ができました。医療の分野においてシュミレーション教育は有用性が高いことにも改めて気づく事ができたため、今回学んだ事を振り返り、研修に活かせるように指導者としての訓練を重ねていきたいと思います。
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。