ハワイ大学SimPLE研修報告書
大館市立総合病院
臨床研修センター 小林千夏
10月14日から2日間、ハワイ大学Sim Tikiシミュレーションセンターで日本人研修医向けトレーニングコースのSimPLEに参加しました。
参加した理由は、アメリカでの医学教育と日本での医学教育の違いを知りたかったからです。また、院外の研修医と交流し、刺激を貰える良い機会だと思いました。
私は英会話があまり得意ではないので、参加前は研修内容を理解できるかわからず不安に感じていましたが、講師の先生方は日本人に合わせて理解しやすい英語で説明してくださり、安心して学ぶことができました。
研修では英語環境の元、腹腔鏡手術のトレーニング、エコー実習、小児・成人の挿管、成人の急変時対応のシミュレーションを経験しました。今までシミュレーショントレーニングは大学や当院で何度か受けましたが、小児の挿管と成人挿管困難例での応用法については初めて経験しました。本や動画で学ぶ機会はありましたが、自分でチューブのサイズを選択したり、小児用のバッグで換気したり、手を動かすことで改めて知識がより身に付いたように感じました。
腹腔鏡とエコーのトレーニングではゲーム形式で競い合いました。腹腔鏡は練習を重ねる毎に早く正確に操作できるようになりました。エコー実習は症例文を読んで、異常のある可能性の高い場所にエコーを当てる形式のゲームでした。いずれも楽しく取り組むことができました。
急変時対応のシミュレーショントレーニングでは部屋にカメラがついており、終了後に録画を確認しながら講師から各メンバーの動きについてフィードバックを受けました。ACLSやFCCSでもシミュレーション毎に各自の動きを確認していましたが、録画で自分の動きを客観的に評価するのは初めてでした。無駄な動きがあると一目瞭然で、反省を次に生かすことのできるものでした。また、英語環境においてもチーム動くためにはコミュニケーションを十分に取る必要があり、ノンテクニカルスキルの重要性を改めて認識しました。
日本では研修終了時点で個人間に臨床力に差が出ますが、アメリカでは一定になるようです。サブスペシャリティとして医学教育が存在する点、アメリカは医師以外の医療職が多く仕事内容の分担が進んでおり教育にかける時間を割きやすい点で、教育に対する意識が異なるのかもしれません。
2日間の英語環境での研修はとても新鮮で、今後取り組むべき課題も見えてきました。まずは後進に教えられるように臨床力を上げ、英語は今後も勉強し続けたいと思いました。
今回このような貴重な経験ができたのは、研修を企画してくださった講師の先生方、各種手続きを滞りなく進めてくださったあきた医師総合支援センターの皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |




