ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター日本人向けトレーニングコース“SimPLE”①(永田篤良)

活動報告
終了
2024.11.22

ハワイSimTiki研修報告書

秋田大学医学部附属病院
研修医 永田篤良

10月22日から23日にかけてハワイ大学医学部のシミュレーションセンターSimTikiで行われた研修SimPLEに参加してきました。2日間ともに非常に有意義な時間を過ごすことができ、研修終了後にはハワイの観光を楽しむことができました。

 

・研修について

研修は大まかにシミュレーターを用いた手技のトレーニングと、症例シナリオを用いてシミュレーターの模擬患者を診察・治療するトレーニング、医療英語を身に着ける講義形式の研修の3つに分けられました。

シミュレーターを用いた手技のトレーニングでは中心静脈カテーテル挿入の練習や腹腔鏡を用いたトレーニング、緊急時の気道確保のトレーニングがありました。中心静脈カテーテル挿入術は何回か実際の患者さんに対して行ったことはありましたが、エコーとシミュレーターを用いて練習することで針先の位置とエコープローブの位置の関係や、解剖学的な位置関係について理解が深まりました。腹腔鏡のトレーニングでは、画面を見ながら箱の中のピンを動かしたり紙を切ったりしました。また、縫合の練習もありました。どの操作も画面を見ながら行うので、2次元的にしか把握できない中で3次元的な操作を行うことになり、非常に難易度が高く感じられました。緊急時の気道確保のトレーニングでは通常の気管挿管のみならず、輪状甲状靱帯切開をシミュレーターに対して行いました。輪状甲状靱帯切開は実臨床で行う頻度は低いものの、口腔からの気道確保のアプローチが難しい場合には躊躇せずに行うべきであるということやその解剖学的な位置関係や切開を行う場合のメルクマールについて理解を深めることができました。

 

次に症例シナリオを用いたトレーニングについてですが、このトレーニングにこそSimPLEに参加した意義をとても強く感じました。大学でも学生実習で症例シナリオのトレーニングを受けたことはありましたが、振り返りの仕方が全然違いました。Berg先生もLee先生も1つの症例シナリオのトレーニングが終了すると「How did you feel ?」と訊いてきました。日本では症例シナリオのトレーニングに対してどのように感じたか、などという大雑把な質問を投げかけられたことはありませんでした。プロブレムリストを挙げて、鑑別すべき疾患を考えて、検査項目はどれにして…、などと症例の振り返りのお作法は1つしかないと知らず知らずのうちに思っていましたが、「How did you feel ?」と訊かれて、「そんな振り返りの仕方があるのか!」と正直なところ戸惑いました。そして、どう感じたか、ということに対して何がそう感じさせたのか、誰がどうすればその問題は解決できたのか、もしくは、誰のおかげで何をすることができたのか、と質問は続きました。そうしていくうちに、「How did you feel ?」の原因を突き詰めていくやり方は目の前の問題を解決するために何が障害になっているのか明らかにし、プロブレムに直接対処するための近道であると感じました。また、できなかったことだけでなく、できたことも同じウェイトで振り返ることもこの振り返りの特徴でした。

次に医療英語の講義についてですが、問診の「OPQRST」を英語で言ってみたり、症状から病名を英語で言ったりしました。問診の「OPQRST」は簡単な単語で訊くことができるという点に気づくことができました。

 

・観光について

大学病院から一緒に研修に参加した大西さんと一緒に行動しました。研修の翌日は、午前中に各所に配るお土産を購入しながらホテルの周辺を散策しました。午後にはホノルル市街からバスでおよそ1時間程度かけてカイルアという街に行きました。ハワイの有名なお土産であるmanoaチョコレートを作っている工場でカカオ豆やチョコレートの試食をさせてもらいました。カカオ豆はとても苦かったですが香りは良かったです。他にも70%カカオチョコレートやフレーバー入りのチョコレートなど、何種類かのチョコレートを試食させてもらいました。カカオの葉から淹れたお茶もいただきました。その後はカイルアのfarmer’s marketに行き、Lanikai juiceでジュースを飲んだり、雑貨店を巡ったりしました。

 

さらに翌日の午前中には、カカアコというSimTikiの近くにある新興商業施設が並ぶエリアで買い物をしました。カカアコは古い倉庫街でもあり、至る所にウォールペイントがされていました。そこで現地の文房具やアロハシャツを見ました。しかし、なかなか気に入ったデザインのアロハシャツは無く(日本で夏に着ても浮かないようなデザインを探していたのだが…やはりアロハシャツはハワイで着るからこそなのか。)、結局アロハシャツは買わずじまいでした。その日の午後はワイキキの郊外にあるこぢんまりとしたshave ice(かき氷)のお店に行きました。日本のかき氷はどの色のシロップも同じ味ですが、monsarrat shave iceはソースにこだわっているようで、現地の果物を使った果実感たっぷりのソースでした。気温もかき氷が丁度おいしく食べられる程度の暑さでした。その後はワイキキに戻り、追加でお土産を購入しました。

 

・食事について

現地の食事はとてもおいしかったですが、値段は高かったです。特に印象的だったのはSimTikiのカフェテリアのランチメニューのガーリックシュリンプの量がとても多かったことです。それ以来、ハワイではRegular sizeではなく、small sizeを選択するようにしました。また、ロコモコも印象的でした。目玉焼きの下にあるハンバーグは肉の密度が高く、日本のものとは全く違いました。また、ハッピーアワーを狙って夕食を食べに行くと、いくらか安いということもわかりました。

 

・まとめ

今回のハワイ研修では、あきた医師総合支援センターの皆様や守時先生をはじめ、多くの方にお世話になりました。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。

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