ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター 日本人向けトレーニングコース”SimPLE”参加報告(2024.10.22-23)
市立秋田総合病院
2年次初期研修医 千葉 光
市立秋田総合病院2年次初期研修医の千葉光と申します。
この度はハワイ大学での貴重な研修の機会を賜り、誠にありがとうございました。非常に学びの多く濃い2日間に関して、ご報告させていただきます。
研修1日目
:自己紹介、シュミレーションセンターの説明、医学英語、Night On call ケースシナリオ、CVC挿入トレーニング
まず初めに米国でのシュミレーション教育がどのように行われているかについて教えていただき、各々が用意してきたスライドを用いて英語で自己紹介をしました。英語を人前で話す経験が不足していた私はとても緊張しておりましたが、ファシリテーターの先生方の優しいコミュニケーションで緊張がほぐれ、拙い英語であっても積極的に伝えようとする姿勢が大切だと感じました。研修には熊本県の人吉センターの研修医の先生方も参加されており、皆さんが個性豊かな素敵な自己紹介をされていました。
ハワイ大学のシュミレーションセンター内には、秋田大学医学部附属病院に併設されているシュミレーションセンターのようにマネキン、腹腔鏡やCVC挿入などの手技シュミレーターが備わっており、これらを使用して2日間グループでの連携を重視したトレーニングを行いました。他ダイヤモンドヘッドを望める大きな窓のある講義室や、手作りのハロウィンの装飾が施されている学生棟など、ハワイ、米国色を感じられる様々な設備を見学させていただきました。1日目はマネキンを用いてアイスブレーキングのような形で、英語のコミュニケーションのウォーミングアップを行いました。
研修2日目
:腹腔鏡・挿管トレーニング、米国でのレジデントプログラムについて、Crisis Team Training
2日目は初めに腹腔鏡を用いて、布を切ったり模型を移したりといったトレーニングを行いました。私は外科系の手技が非常に好きで、専攻も外科系の科で迷っていたところであったため、腹腔鏡トレーニングはとても楽しい時間でした。また挿管も今までは成人にしか施行したことがなかったため、小児の模型でブレードの選び方や喉頭鏡の差し入れ方、ビデオ喉頭鏡の使い方などを学ぶことができて非常に勉強になりました。
ハワイ大学ではグループでのデブリーフィングを重視しており、各セッションの後には必ず自分の意見を伝える機会が設けられていました。シュミレーションでケーストレーニングを行う毎に自分がどう感じているか、英語でメンバーに伝えることはかつてない経験であり、私にとっては最大の難関でもありました。Crisis Team Trainingでは実際に活動している動画を部屋常設のカメラで撮影し、その動画をすぐにフィードバックとして、ファシリテーターの先生を中心に見返しながら話し合いを進めました。手技や判断が正しいかどうかだけではなく、いかにチームとして動けていたかに焦点を置いて、ポジティブな雰囲気で進むシュミレーションは発言しやすく、とても楽しく充実したものでした。
今回の研修で、保険制度によって米国と日本の医療制度は大きく異なっていること、研修制度も日本とは異なったものであることを学び、また今後海外で働くことも視野に入れるためには医学英語の知識が圧倒的に足りないことを実感しました。今後はこの研修で得た経験をモチベーションにして、英語学習を更に進めていき、救急対応においても常にコミュニケーションを意識しながら着実に対応できるよう心がけていきたいと考えております。
このような貴重な機会を作ってくださったあきた医師総合支援センターの方々、ご指導いただいた先生方、ご尽力いただいた全ての方々に感謝申し上げます。この度はありがとうございました。