研修参加報告
秋田大学医学部附属病院
吉田 健二
おきなわクリニカルシュミレーションセンターで2025/7/19-20に開催された、第43回FunSim-Jに参加させて頂きました。日本全国から12名の医療従事者が集まり、シュミレーション教育の基本について学びました。まず講師の先生方が作成したシュミレーションシナリオを体験する所から始まり、学習者・運営者それぞれの立場での感じ方の違いや、世界で行われているシュミレーション教育、効果的な評価方法について学びました。後半はグループに分かれて5分間のシナリオを作成し、実際に運営しデブリーフィングまで行う体験を行いました。
今回のFunSimJで感じた最も大切なことは、“参加者が学習目標をいかに達成できるか”ということです。シナリオ作成においては、参加者の具体的な想定、リアリティを重視した場面設定、そして何を学習目標とするかが肝だと感じました。私たちのシナリオでは、参加者にとって学習目標が明確ではなかったために、デブリーフィングの効果が不十分でした。例えば初期対応という言葉も、職種や経験年数によって受け取り方が異なるため、できる限り具体的に学習目標を提示することが重要でした。
そして教育効果を高めるためのデブリーフィング法についても、多くの気づきを得ました。教えるのではなく、参加者自身に気づいてもらうためにどのような言葉を投げかけるか、が重要ですが、難しいポイントでもありました。参加者からの何気ない発言から、効果的なデブリーフィングにつながることもあるため、評価側の観察力を養うための訓練と綿密な準備が必要だと感じました。今回学んだデブリーフィングの手法は、シュミレーション以外にもあらゆる医学教育に活用できると感じました。
コースの中では、シュミレーション教育を行う上でのハードルについても議論しました。シナリオ中のファシリテーションとデブリーフィングが難しいという意見が多く、私も同じように感じていましたが、今回のコースで少し苦手意識が取れた気がします。他にも教育者の不足や働き方改革による時間的制約といった要素も挙げられ、シュミレーション教育に携わる人材を増やしていくことの大切さを痛感しました。
この2日間、講師の先生方の熱いご指導を頂きまして、シュミレーション教育・医学教育への理解を深めることができました。本当に貴重な体験をさせて頂きました。FunSim-Jの学習目標を達成できていれば幸いです。今後もシュミレーション教育の普及に携わっていきたいと考えています。ありがとうございました。
![]() |