SimPLE 研修報告
秋田大学医学部附属病院
初期研修2年目 寺澤杏奈
2025年10月14、15日にハワイ大学 SimTiKi Simulation Center で行われたシミュレーション研修に参加してきました。事前に参加者を集めた説明会などもあり、不安なくハワイに渡航することができました。
秋田県から初期研修医2年目の4人、人吉医療センターの初期研修医1年目の3人の7人で研修を受けました。SimTiKiの説明、自分たちの自己紹介から始まり、まずはMedical Englishの授業がありました。2人ペアが医師と患者役になり、問診のスタイルを演じる。他の受講者は患者が何の疾患なのか推測するとうい形でした。日本でも叩き込まれる基礎的な問診用語を英語で復習するいい機会となりました。医療英単語が全く分からない人にとっては難しかったかもしれませんが、よく使う単語しか出てこないので教養として覚えておく必要があると感じました。
マネキンを使った挿管練習では、単に手技を学ぶだけでなく、準備用具や挿管介助者としっかりコミュニケーションをとることを学びました。小児の挿管については日本の麻酔科実習では担当することがなかったのであまり勉強したことがなかったのですが、成人と小児の解剖学的な違いやなぜ小児の挿管が難しいのかを学ぶことができました。
Night on-Call Case Scenarios では、患者のもとに駆け付けたらまず何をするのか、座学でまず学び、次にシミュレーションを行いました。ついさっきしっかり学んだはずのことがいざ患者を前にすると混乱してしまったり、誰が何をするのかなど役割が難しいと感じました。しかし、しっかりと振り返りの時間が設けられたことで自分がなぜあの行動をしたのか、本当は何をすべきだったのかを明確にすることができ、次のシミュレーションでは格段に良い動きができたと実感しました。
2日目の最後に行ったCrisis Team Training はとても難しかったです。チームで患者の急変に対応し患者の生理学的安定化を図るものでした。その場で自分の役割を判断し、適切なチームワークが必要でした。Leaderが指示を飛ばした際にはClosed Loop Communication でteam memberもはっきりと返答を返すことを意識して行う必要があると学びました。私は積極的に声を上げることが苦手でしたが、ここで学んだことを大いに実臨床で生かさなくてはと思いました。
総じて、チームでの連携の大切さを学び、シミュレーションを繰り返すことでより良い医療を患者に提供できるようになると実感しました。「シミュレーション研修では間違えてもいい、マイナスなことは一つもないんだから」と先生方が何度もおっしゃっており、アメリカ人の積極性はこういう環境で育まれるのだと感じた時間でもありました。
秋田大学には素晴らしいシミュレーション器具がたくさんあります。もっとこれらを活用して、よりよい医療、チームワークの構築に寄与できるのではないかと思いました。日本に戻ったら、自分を少し変えて、残りの初期研修生活、長い医者人生をステップアップしていきます。
最後に、今回の研修のためにご尽力くださった皆様に深い感謝を申し上げます。今後も後輩たちが充実した研修を受けられますことを心から願っています。貴重な機会を頂き、誠にありがとうございました。
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