Funsim-J 研修報告

ICU1看護師 加藤 貴則

開催日時:令和1年6月1、2日

開催場所:虎ノ門病院

私は救急看護認定看護師として、年間数回ALSシミュレーターなどを使用したシミュレーション教育を行う機会がありますが、シミュレーション教育には時間や労力も必要とされ、より効果的なシミュレーションを行うにはどのようにすればいいのか毎回悩んでいる現状でした。その反面、シミュレーション教育によって学習者が得られる技術や知識はとても高く、学習者の満足度も高いことを実感しています。さらに、最近では心臓血管外科医師とともに急変時のシミュレーション教育を行う機会も増え、限られた時間でシミュレーションを行うためにはどのようにするべきか医師と一緒に考えることが多くあり、今回の研修はその課題を解決する上で非常に勉強となる研修でした。

研修では、現在の医療の教育の中でシミュレーション教育がたくさん取り入れられており、学習者が能動的に学ぶアクティブラーニングが進められていることを学び、これからの教育にかかせないものであることを実感しました。能動的に学ぶ上で大切なこととして、シミュレーションにおいて学習者が安全な環境を整えることが大切とありました。自分たちが行っているシミュレーション環境では安全な環境への配慮が足りず、自由な発言を促すことが困難な環境になっているのでないかと感じました。自由な発言から臨床の現場でどのようなことに学習者が困難と感じているのか、どこでつまずいているのか感じその話題を掘り下げていくことによって学習が促進され、能動的な学習へと繋がっていくのだと感じました。

また、シミュレーションを行っていくための要素としてファシリテーションを重要視していましたが、ファシリテーションだけでなく事前準備が重要であることを学びました。ブリーフィングをどのように行えばいいのか、αテストを行い課題を抽出することやβテストから次のシミュレーションに繋げることを研修で実体験しグループディスカッションすることで重要性に気付かされました。

そして、これまではシミュレーションを行い、目標が達成できればそれでいいと思っていましたが、シミュレーションのデザインが成功したのか評価することも必要であると学びました。そのためには、どのようになったらそのシミュレーションデザインが成功したのか知るために評価表の作成が必要であると思いました。

この研修を通して、これまでのシミュレーション教育を振り返り、様々な課題が見つかり改善する方法もわかりました。また、シミュレーションだけでなく実臨床の場面で研修で得た様々なスキルが使用できると実感できました。このような教育の機会を与えてくださったことに感謝いたしております。