開催日時:令和5年2月25日~26日
開催場所:東京慈恵会医科大学病院シミュレーションセンター

秋田大学医学部附属病院
救急・集中治療学講座 亀山 孔明

あきた医師総合支援センターで開催し、自分も携わっているシミュレーションの、指導者としての質の向上を図ることを目的に参加しました。

iSIM-Jでは実際にグループで教育シミュレーションを作成し、αテスト、βテストを通して作成したシミュレーションをお互い評価するという形式でした。その中で、しばしば強調されて語られる「Object(目標)を意識せよ」という言葉に、自分も共感を覚えました。学習者が、何を学習するべきなのか、という目標を意識することで、その目標を達成するために、何が必要で何をそぎ落とすべきなのか、作成者にはこの視点が最も大事であると学びました。

そして、そのシミュレーションが適切であるか否か、SMARTという観点を照らすことにより評価が容易になると学びました(SMART:Specific(具体的に)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Related(目標に関連した)、Time-bound(時間制約))。

実際に自分たちが作成したシミュレーションでは、学習目標がそのまま学習者の達成項目となっていることで評価があいまいになってしまったり、学習者がシミュレーションに没頭することを妨げる要因を生み出してしまったりして、適切に学習効果を高めることが非常に難しいと学びました。

今回の研修で、シミュレーション教育設計を通して、複数人のグループで一から新たなものを作成・設計することの難しさを実感しました。グループメンバー皆で達成すべき目標を共有することの難しさであると感じ、やはり「Object(目標)を意識せよ」という言葉は、個々人と同様、グループ内で共有することの難しさも含んだ言葉であると感じました。

以上を通して、今後シミュレーション教育に学習者・指導者いずれにしてもかかわっていく機会はあると思いますが、そのシミュレーションで達成すべきObjectが何か、を常に意識して臨みたいと思いました。