シミュレーション基盤型教育セミナー「FunSimJ」研修報告書

地方独立行政法人 市立秋田総合病院
救急外来 山本尚樹

このたび、おきなわクリニカルシミュレーションセンターで開催された第41回FunSimJを受講させていただきました。シミュレーション教育に関しては、これまで日本救急医学会認定ICLS指導者養成ワークショップやJPTECインストラクターコースを受講し、おもに救急領域の指導方法をにわかに学んだ程度であり、基本となるシミュレーション教育やその指導方法を学んだ経験はほとんどありませんでした。また、日頃より自施設において教育委員会の委員として、研修を企画・実施しておりますが、何となくシミュレーション研修は効果があるのでやってみようという漠然とした感覚でした。しかし、今回のコースを受講したことで、シミュレーション教育がなぜ効果的なのか、その明確な根拠を知ることができました。

コースで印象に残ったことは、オリエンテーション・シミュレーション・デブリーフィングの構成のなかでの「デブリーフィング」の重要性です。学習者が到達目標を達成できたかを確認するデブリーファーの存在意義は大きく、遂行するためには学習者の観察が必要不可欠であるということです。もうひとつは、シナリオデザインシートを用いてのシナリオ作成と、その過程でαテストとβテストを実施し、ディスカッションすることにより、課題の抽出につながるということです。そして、グループワークでも受講者の皆様が多職種、多施設から参加されたことから色々な意見を伺うことができ、私にとって新しい発見の連続であり、有意義のコースとなりました。

受講した時期、沖縄は梅雨入りし、外は高温多湿の不快指数MAXの状況ではありましたが、コースが開催された「おきなわクリニカルシミュレーションセンター」内は、あたたかく優しい熱意ある講師の皆様のご指導のおかげで快適な空間となりました。2日間楽しく受講させていただけたことを心より感謝申し上げます。

おわりに、今回のFunSimJで学び深めた知識とシミュレーション技法を、自施設での教育に役立てるとともに、ひとりでも多くの方がシミュレーション教育に興味を持ってもらえるよう取り組んでまいります。