Fun Sim-J 参加報告書

秋田大学医学部附属病院
集中治療部1  佐藤 友理

私が所属している集中治療室では、心臓血管外科の開心術後における心停止に特化した蘇生方法(CALS)が導入されています。手術後に患者さんが心停止に陥った際に、看護師だけではなく、心臓血管外科医師、麻酔科医師、救急科医師、NPの多職種がプロトコル表に沿って行動できるよう、月に1回程度、CALSのシミュレーション研修を実施しています。シミュレーション研修では、私は、ファシリテーターとして、ブリーフィングやデブリーフィングを行なったり、オペレーターとしてシミュレーターを操作したり、評価者としてデブリーフィングに参加したりしていますが、シミュレーション教育に関して講義や指導などをあまり受けたことが無く、現在は先輩看護師の見様見真似で実施しているため、自部署の師長よりFun Sim-Jの受講を勧めていただき、あきた医師総合支援センターの支援のもと、この度参加することができました。今回のFun Sim-Jは、参加者が28人と過去最高人数だったそうですが、28名の参加者の皆様と共に研修を受講し、特に自分自身にとって学びの深かった点について記載いたします。

研修では、シミュレーション研修を実際に体験し、シミュレーション教育の基本を学習することで、シミュレーション研修を通して学習者にどうなってもらいたいか、シミュレーション研修のゴールに到達するための目標はどう設定するか、その目標を達成するためのシナリオや評価表はどうデザインするか等についてグループワークを通じて考えることが出来ました。その後、実際に作成したシミュレーションをαテスト、βテストとして実施しましたが、αテストでは学習者が目標を達成できており、学習者自身の達成感もありましたが、βテストでは評価表のチェックは全て埋まっているのにも関わらず、学習者がシミュレーションでモヤモヤを感じており、学習者自身が達成感を得ることが出来ていませんでした。この経験から、学習者の目線に立ってシナリオをデザインすることの難しさを実感しました。また、βテストではデブリファーの役割を実施しましたが、学習者のモヤモヤを解決するには、シミュレーション後のデブリーフィングが重要であることも実感しました。デブリーフィングの技術としてGAS法を学習しましたが、Analyze(分析)の部分で学習者を気づきへ誘導することが難しかったので、今回学習したことを復習し、自施設の研修で実施できるようにしていきたいです。

FunSim-Jでは、自分たちでシミュレーション教育を一からつくってみることで、今まではなんとなく理解していたことに関しての理解を深めることが出来ました。優しい先生方や参加者の皆様のおかけで、非常に学びの多い二日間となりましたFunSim-Jに参加させて頂き、本当にありがとうございました。