研修報告

市立秋田総合病院
 中央診療部 臨床工学センター
宇沼 響

おきなわクリニカルシミュレーションセンターにて開催された【第41回FunSimj】に参加しました。30人近い医師や看護師の中で、臨床工学技士は自分だけでした。しかし、講師の方々やグループのメンバーに恵まれて、あっという間の2日間でした。

シミュレーション教育とは、何かという疑問の答えを求めての参加でした。今まで、ICLSコースをはじめ、様々なシミュレーションによる指導を行ってきましたが、先輩に教わったことや経験だけで、基礎的なことは、分かっていませんでした。事前学習の動画を視聴し、なぜシミュレーション教育が必要なのか、臨床での教育とシミュレーション教育の違いなどを知り、これまでの手法(技術)が不足していたことを痛感しました。

初日、初対面の方々と簡単な自己紹介をし、施設案内から始まりましたが、様々なシミュレーターがあり、まさにどんなシミュレーションもできるといった設備の数々に驚きました。自分の施設には、シミュレーションセンターのような施設・部門は無く、シミュレーターといってもレサシアンシミュレータやAEDトレーナー程度で、ほとんどが実機を使用するか、メーカー等のデモ機器を使用してのシミュレーションでした。このような施設であれば、インシデントの振り返りを含め、安全に新しい技術の取得できるだろうなと、とても羨ましく思えました。

午後のグループワークでは、オリエンテーションの内容はシナリオ時間について、どこまで説明するか、効果的に学習するための時間配分について学び、デブリーフィングでは、それらを含めて様々な考え方に気づくことが出来ました。全ては目から鱗の学びとなりました。後半からは、実際にシナリオを作り、他のグループへの実施計画を立てましたが、その頃にはグループ内の結束が芽生え、率直な意見が飛び交い、終了時間以降も続きました。

セミナー最終日、実際に他のグループへのファシリテートとデブリーフィングを交互に行い、講師の皆様からのアドバイスや沢山の【気付き】を頂きました。シミュレーション教育とは何かということをほんの少し理解できたのではないかという満足感や達成感を得ることが出来ました。

琉球大学の移転に伴い、次回は新施設での開催となるようですので、シミュレーション教育に関わる全ての方々に参加して欲しいです。帰秋後、当院でICLSが開催されましたが、学んだことを活かしデブリーフィングに力を入れて、新たな形でコースを進行することが出来ました。この度はこのような機械をいただき、本当にありがとうございました。