開催日:2015年07月07日~10日
ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンター日本人研修医向けトレーニングコース 研修報告⑤(船木玲奈先生)
市立秋田総合病院 初期臨床研修医2年目 船木玲奈
初日から天候は概ね晴れ、時々曇りや雨で、過ごしやすい気温での滞在となりました。わたしは将来、漠然とですが臨床または研究で留学したいと考えており、この研修に参加させていただきました。英語については日常会話程度で医療用語は勉強中、という言語的な不安がありましたが、現地の先生方はじめスタッフの方々はとても陽気で親切、また、分かりやすい単語を使ってゆっくりとお話してくださいました。 4日間のコースの内容は下記に写真とともに添えますが、とても充実したカリキュラムとなっておりました。他県の病院から参加した同年代の医師たちと一緒に受講し、シミュレーション等協力し合ってすすめていきました。その方々は2日間や3日間のコースでしたが、4日間という贅沢なコースで参加させていただき、とても有意義な研修を送ることができました。諸先生方に感謝致します。
そんなカリキュラムの中で、強く印象に残ったのは、小児のレッスンでした。そのレッスン含め、4日間全てのコースを通して重要だと学んだことが、目の前の人が具合が悪くなったときの初期対応についてでした。例を挙げると、「まずはABC、次にsafety netで…」、「小児はでは大人との違いを考慮した診察上大切なこと3つ…」「SBAR:該当科へのコンサルト法…」などがありました。これらはどんな症例にも適応可能な一貫された概念であり、すぐに日常診療で用いることができるものでした。これらの方法は、目の前の患者をすぐに診断し病名をつけようとするのではなく、患者の現在と未来の病態をしっかり把握できるもので、それが初期対応としては重要且つ必須であることを念頭に診療できる概念でした。
また、シミュレーショントレーニングでは、正しい道筋で正しい診断をすることだけが重要ではないということを学びました。すなわち、チームワーク、協調性の向上が患者の救命に直接つながるということです。ホワイトボードを用い、患者について好きなことをなんでも記入しながらシミュレーションを進めていくスタイルは、チームの各々個人が考えていることを明確にでき、またそれを文章化してまとめることで、見えていなかったこと見え、抜けがなくなる有用な手法であると思いました。初対面の他院の仲間たちと進めていく上でも合理的でしたが、日常からいつものチーム内でも用いると、医療の向上につながると考えます。 気道確保のブースでは、診療に関しても、治療や手術に関しても、現在の手技手法が困難であった場合の、次の手を考えておくこと、また具体的にその準備を事前にしておくことの大切さを学びました。 日々のコース受講中の他にも、スタッフの皆さんとの昼食・夕食や、現地でお世話になった医師ともafter schoolを楽しみ、交流を深めることもできました。今回の研修は将来への大きな糧となりました。これからもこの研修の存続と発展に期待しております。
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▲SimTiki シミュレーションルーム |
▲シミュレーショントレーニング | ▲受講テキスト | ▲ラパロ手技テストで 見事優勝 |
▲スタッフの皆さんと ディナー |
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▲DMAT見学 | ▲Triple Army Medical Center見学 | ▲同院内 | ▲カンファレンス参加 | ▲集合写真 ありがとうございました! |
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●2015年ハワイ研修 研修報告①はコチラ
●2015年ハワイ研修 研修報告②はコチラ
●2015年ハワイ研修 研修報告③はコチラ
●2015年ハワイ研修 研修報告④はコチラ