SimTiki シミュレーション研修報告書

                     秋田大学医学部付属病院 研修医 五十嵐陽美

研修内容:

1日目 オリエンテーション、自己紹介、医療英語のレクチャー、当直シナリオ研修、CVCシミュレーション

2日目 気管挿管シミュレーション、米国の医学教育についての講義、腹腔鏡シミュレーション、チームシナリオ研修、振り返り

今回、ハワイ大学で開催されたSimTikiシミュレーションセンターでの研修に参加させて頂きました。私はもともと海外で働いてみたい気持ちもあったため今回の研修に応募することを決めました。参加する前は、医療英語が分からず不安もありましたが、結果として参加してよかったなと心から思いますし、大変貴重な経験となりました。

秋田大学にはシミュレーションセンターが充実しているため、使用したマネキンは同じようなものだったかと思います。また、大学では研修医の指導もたくさんしてくださるため、シナリオを使用したシミュレーションは経験がありました。ハワイでも同じようにシナリオを使用してのシミュレーションや、気管挿管の練習、CVC挿入の手技などを行いました。

私がハワイ大学の研修を通して感じたことは「コミュニケーションの重要さ」でした。先ほども述べましたが、秋田大学でも日本語で同じようなシナリオを使用して研修したことがありました。日本語でも多くを学べ、実際の臨床現場に生かすことが出来ました。言語が違うというだけで同じようにシナリオ研修を行いましたが、ハワイ大学での研修ではあまり「診断・治療が正解だったか」を気にされなかったように思います。もちろん実際の現場では間違った治療をしないことは重要ですが、「わからなかったら聞けばいいし、グーグルで調べてもいいんだよ」と言われ、正しかったかどうかよりも自分はその時何を考えていたか、お互いの認識はどうだったか、どこを改善できるか、などコミュニケーションの部分を多く話し合いました。また、秋田大学のシナリオ研修は主に一人ずつ行っていくことが多かったですが、ハワイ大学ではグループで行い、それぞれの仕事を自分たちで考え、どうしたらスムーズに治療ができるかをよく話し合いました。いくつかのシナリオで練習しましたが、診断はみんなが同じ正しいものを導き出せていてもコミュニケーションがうまく取れていないために治療までに時間がかかることもしばしばありました。シナリオ研修ではお互い日本語で会話していたため、コミュニケーションがうまく取れないのは英語がわからないから、ではありませんでした。診療中にコミュニケーションを多くとることで状況把握をすばやく行えたり、診断が分からなくても誰かが気付いていたり、手が空いている人に仕事を分散出来たりと、チームとして診療していく上で言葉にして伝えることがいかに重要であるかを学びました。医療現場では一人で働くことはほとんどないため、こういったチームでシミュレーションをすることはすごくいい勉強になったと思います。

2日間という非常に短い時間でしたが、想像以上に得られたものが大きかったように思います。このような機会を作ってくださったあきた医師総合支援センターの方々、開催するにあたってご尽力いただいた先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

その他の参加者の報告書は、以下リンクからご覧ください。

”SimPLE”2022 研修報告②(五十嵐光汰先生)

”SimPLE”2022 研修報告③(土田英臣先生)

”SimPLE”2019 研修報告④(髙橋勝大先生)