研修報告書

                    秋田大学医学部附属病院 腫瘍内科 福田耕二 

 秋田大学にシミュレーションセンターが存在していることは、学生教育・研修医教育において非常に重要であると思っていました。我々が学生時代もしくは研修医の時代には、高精度のシミュレーターというのは限られた施設のみで、容易に利用できるものでなく、現在の恵まれた環境にいながら、学生ないし研修医の先生達が、自ら積極的に利用しているように感じられないのが残念と思っていました。

 腫瘍内科としては、USガイド下のCV穿刺に関しての学生への教育として、月2回程度センターを使用させていただいていますが、今回シミュレーション教育について勉強するために上記コースを受講させていただきました。

 研修の多くの時間は、シミュレーション教育におけるシナリオを作成するということでした。医師看護師と意見を共有しながら、シナリオを作成すると言う課題は、難しいと感じました。自分の教育ではシナリオトレーニングは現在行っていませんが、多種の抗がん剤を扱う診療科であり、アナフィラキシー対応についてシナリオトレーニングを新たに行う事を念頭にいれて研修しました。

 実際のシナリオ作成において、重要なのはトレーニングにマイナスな感情を抱かないように、楽しさを実感できることで、また次のステップのトレーニングを受けたいと思わせることを学びました(Fun SimのFunはFundamentalだけではなく、楽しさのFunでもあるらしい・・・)。また、デフリーディングの重要性についても認識させられました。腫瘍内科のシミュレーション教育では、手技を一通りやってもらっていますが、デフリーディング的な振り返りをしていないので、すぐに取り入れることが出来そうです。

 オンラインでハワイとつないで研修を受けるという先進的な経験を出来たのも非常に刺激的でした。なんと初日の夜に娘のコロナ感染が判明し、以降の研修プログラムは自宅で受けると言うことになりましたが、オンラインであったために研修を最後まで行う事が出来ました。オンラインでできる事と難しいこと、配慮が必要なことも勉強になりました。

 今後の課題としては、アナフィラキシー対応に関するトレーニングを学生さん向けに作るかどうか。ただ、他科などで行われていれば二番煎じとなるので、その情報を仕入れたいとおもいます。また、大学の高精度シミュレーターがアナフィラキシー対応のシナリオに対応しているかの情報も確認しようと思います。 

 その他の参加者の報告書は、以下リンクからご覧ください。

「FunSimJ Online」研修報告②(黒木航先生) 

「FunSimJ Online」研修報告③(今野俊宏先生)

「FunSimJ Online」研修報告④(赤沼かおりさん)   

「FunSimJ Online」研修報告⑤(伊藤奈津美さん)